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2018年11月18日

葛根湯パルスの威力

 だんだん寒くなってきましたね🌀1年があっという間です。

 さて、この季節に入ってくると、当然ながら風邪が流行って病院に患者さんが押し寄せてくるのですが、最近「葛根湯パルス」という飲み方に少しハマっているのでご紹介したいと思います💡


 以前、当サイトでも風邪薬「葛根湯」については紹介したことがあります。→記事はこちら
 風邪という、ターゲットをしぼりにくい病気に対して、割と筋がよい薬(少なくとも「しょせん漢方」とバカにされるほどではない)であると紹介しました。

 この葛根湯、医療用のツムラ1番の製剤で1日3包(朝昼夕1包ずつ)と内服するのが一般的なのですが、割と漢方医学で有名な先生の本で、こんな「オレ流」の飲み方が記載されていたんですね。

(1)風邪を引き始めたとおもったら、1〜2時間おきに葛根湯を1包ずつ飲み始める。とりあえず上限はない。
(2)どこかのポイントで、心臓がドキドキしたり、ジワッと汗ばんできたりするので、そこで内服中止。以後はもう飲まない。

 これで風邪が治る!・・・というのです。
 (2)は紛れもなく、麻黄/エフェドリンの効果ですね。体の代謝や体温を一時的にグイーンと持ち上げて、ウィルスに対する抵抗力を上げて排除してしまおうというコンセプトです。

 この飲み方、ずっと気になっていたんですが、先日風邪気味になったので、初めて自分で試してみたんですよ👊
 私は平素多忙で慢性的に疲労気味であることもあって、風邪ひき始めた〜と思ったときにも、わかっていても結局踏みとどまれずに(栄養ドリンクなどガンガン飲んでも)グズグズになるというのがいつものコースだったのですが、この「葛根湯パルス」やってみたら、なんと踏みとどまれたんですよね。
 さらに、そのあともう1回風邪気味になったのですが、やはり同様の手法で踏みとどまることができました👀

 ムム・・・これはたまたまなのか、それとも本当に効果があるのか?(笑)
 真相は闇の中ですが、風邪は悪化を防げるにこしたことはないですから、一つの選択肢として知っているのはアリですよね。葛根湯はもとより風邪が悪化してからというより、ひき始めに良い適応があるとは昔から言われているので、風邪の初期フェーズで徹底的に使うというのは理にかなっているような気もします🚩


 ツムラの市販向けの葛根湯は1日2回となっていますが、1包2.5gあたりの成分は医療用と変わりありません(単に市販は1日2包、医療用は1日3包と差をつけているだけ)。ですから、原理的には病院に来なくても、市販薬で同じことがやれます。
 もちろん、能書き通りの使い方ではないので、医師としてオフィシャルでお勧めすることはあまりできませんが、自己責任で試してみる価値はあるかもしれません。
 インフルエンザのとき等に使用する「麻黄湯」なら、麻黄が葛根湯の1.7倍くらい含まれていますから(葛根湯3包で麻黄3g、麻黄湯3包で麻黄5g)、少なくとも若い人だったら葛根湯5包/日くらいまでなら、全然問題なく飲めるだろうというのが実際のところですが💨


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2018年11月03日

(続)本庶佑氏のノーベル賞受賞に思うこと。

 下半期に入ったら少し落ち着く予定だったのですが(実際、以前にそう投稿していますが)、ちょっと想定外の事態が発生して、結局忙しくなってしまっております💦 もう向こう2年くらいはずっと忙しいのかもしれませんね・・・笑。

 
 前回、本庶先生のノーベル賞に関して、「本当にわかってらっしゃる、数少ない真の研究者」という印象を起点にして記事を書かせていただきました。しかし、一方で「それはどうかな」と思うところもありました。今回はそれについて書きます。
 ノーベル賞を受賞したからといって、全てにおいて聖人君子であるわけではないですし、パーフェクトヒューマンであるわけではありません。間違っているところもあると思います。それを、掘り下げるとやっぱり研究業界の闇が見えてきます。

 それは、同先生が受賞会見で「小野薬品は全く貢献していません」と断言したことについてです。
 この発言も、特定の界隈においてはそれなりに衝撃的だったようで、多少は記事になっていました。以下に、引用します。

***********************************
「オプジーボに関する特許は本庶先生と小野薬品の共同所有。小野薬品から本庶先生に幾ばくかのロイヤリティは支払われているようですが、それとは別に、本庶先生は売り上げの一部を大学に寄付するよう要請している。それで基金を設立し、若手の研究者育成に充てたいという一心でのこと。ところが小野薬品は渋っている様子で、本庶先生はそれに立腹しているのです」(製薬業界専門紙記者)
***********************************

 この件に関して、私は真実を知る者の一次ソースに接触できているわけではないですから、各種の記事から推察するしかないのですが、その範囲において常識的に考えれば、「小野薬品が貢献していないはずはない」です。他記事によれば、共同研究としての覚書も交わされているそうです。
 小野薬品サイドも、この発言に対して明確に反論しています。


 小野薬品は、確かにオプジーボの成功によって巨額の富を得ました。新しいビルも建ったそうです。
 「それだけ儲けたのだから、若手研究者育成のために一部を寄付して欲しい」という主張は、至極真っ当のように思えます。「製薬会社ばっかり儲けやがって」という研究者達の恨み節が聞こえてくる気がします。

 しかし、本当にそうでしょうか?

 くしくも一流研究者である本庶先生がこうした発言したことで、この辺の「マネーの仕組み」に対する理解が、研究者にはほぼほぼ欠落しているのだということが見えてきます。
 
 具体的な数字とかはつまらない話になるので割愛しますが、1つの薬のアイディアを製品化するのって、めちゃくちゃお金かかるんですよ。その成功率ってものすごく低いわけですよ。さらに、オプジーボのような革新的でチャレンジングな創薬というのは、ことさら失敗リスクが高いものです。
 しかも小野薬品は、オプジーボが成功する前には、まったく弱小であった製薬会社ですから、会社として請け負うリスクも相対的に大きなものとなるわけです。
 製薬会社としては、数多あるシードの中から、「これらのうちどれかがうまくいけば、御の字」という形で創薬のポートフォリオを組みます。オプジーボが成功した背後には、遥かに多数の「失敗した薬」と「水の泡と消えた膨大な開発費」が存在しているわけです。もちろん、オプジーボ自体がド派手にズッコケる可能性があったわけです。

 つまり、リスクを「前受け」していると言えるのですね。個人資産が既に9兆円あるマーク・ザッカーバーグに数十億円寄付してくれ、とお願いしているのではないのです。「このアイディアのために、リスクをとってくれ」と要求しているわけですよ。 
 その結果、たいしてお金のなかった弱小製薬会社が、乾坤一擲の投資(究極のギャンブル)に勝って、成長することができた。そのお金は、会社としても次の時代の成長のために回したいと思っているし、社員の賞与にしたいと思っているし、何と言っても次の創薬に失敗するかもしれないから安全資産としても取っておきたい。こう、考えるのは当然であるし、当然の権利です。
 
 成功したからといって欲しがるのは簡単ですが、それなら、研究者側には、失敗した場合に「迷惑かけた」と、お金を補填する覚悟があるのでしょうか?そんなわけないですよね。
 リスクを前受けしてもらっている時点で、それは十分な寄付を貰っているのと同じなのです。しかも、ベンチャーキャピタルによる投資と違って、失敗したら経営権を丸ごと取られるということもないのですし。


 そして、会社を一度経営してみればいとも簡単にわかることがもう一つあります。「一人の人間の雇用を安定的に保証するということがいかに難しいことであるか」を。社会保障費まで勘案したら、本当にいくらお金あっても足りないですよ。いくら内部留保があっても、経営者としては不安ですよ。
 ある会社がある薬で1000億円儲けたとして、その数字だけみて語るなんてナンセンスな話です。バランスシートとか、損益計算書とか、企業の経営状態をみて言わないと、本当の意味で金が潤沢にあるかどうかはわかりません。1000億儲ける前に、2000億借金してるかもしれませんよ?
 研究者が製薬会社にやっていることは、要するに「いま金持ってるなら、金くれよ」ということであって、本来全くふざけた論法なのです。


 しかも、本庶先生の場合は研究者として真に一流ですし、小野薬品のとの関係も深いからこそ「言える」立場にあるとも言えますが、前回記事にしたような「99%の、本当は存在価値がない研究者達」が、詐欺レベルのテーマでもって、製薬会社にタカっているという現実も厳然として存在します。
 そういう意味でも、研究者達は「金あるなら金よこせ」などと吠える資格など1ミリも持ち合わせていないのです。
 どんなに少額であっても、リスクをとってくれた国民や製薬会社(投資家)には、「ありがとう」としか言えないはずなのですよ。
 本庶先生の発言も、「小野薬品はまったく貢献していない」というのは正直あてつけ的な発言であって、「小野薬品には感謝するが、もっと寄付するべき」と言う方が正確な表現だと思います。


 アカデミアの中だけでキャリアを進めて立場が偉くなると、「自分は偉いのだから、誰かがお金をくれて当たり前」という着想にいつの間にか馴染んでしまいます。三流の研究者であってもです。
 それは本当におかしな話であるし、そこの意識の改善を促すような施策を打たなければ、「限られた研究予算(おおらかだった時代と異なり、現代では必然的にこうですので)」の中でよい成果を生み出す研究というのは今後なかなか産まれてこないでしょう。


 研究者然としたいなら、自分で一度ベンチャー立ち上げてみたらいいのですよ。そうしたら、企業側の立場も少しは理解できるはずです。特にM.D.は、小さな会社立てて失敗して潰したところで、生活が破綻するわけでもないのですから(株式会社は、資本金1円から作れますよ?)。 



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2018年10月06日

本庶佑氏のノーベル賞受賞に思うこと。

 京大の本庶佑先生がノーベル医学・生理学賞を受賞されました。
 実際、オプジーボが臨床現場に与えているインパクトはとてつもないですし、「エセ医学」がまかり通っていた癌免疫療法の領域において、ガチンコで大きな効果を持つ医薬品を、世界で初めて送り出したという点で、功績ははかり知れません。
 心からお祝いと感謝の気持ちを表したいと思います。

 長年、日本人のMDはなかなかノーベル医学・生理学賞をとれないでいましたが、これで山中伸弥先生とあわせて二人目。日本の医学研究のレベルは世界的にも「非常に高い」と言っていいと思います。
 ただし、これは後述する通り、注釈付きです。

 
 さて、本庶先生の会見の中で、注目すべき発言がみられました。下に引用します。
***********************************
私自身の研究(でのモットー)は、「なにか知りたいという好奇心」がある。それから、もう一つは簡単に信じない。

よくマスコミの人は「ネイチャー、サイエンスに出ているからどうだ」という話をされるけども、僕はいつも「ネイチャー、サイエンスに出ているものの9割は嘘で、10年経ったら残って1割だ」と言っていますし、大体そうだと思っています。

まず、論文とか書いてあることを信じない。自分の目で確信ができるまでやる。それが僕のサイエンスに対する基本的なやり方。

つまり、自分の頭で考えて、納得できるまでやるということです。
***********************************


 ああ、この方は、本当にわかってらっしゃるな。数少ない真の研究者なんだな、というのが第一感ですね。
 世間的にも、 この「ネイチャー、サイエンスの9割は嘘」というフレーズは、それなりに刺激的だったようで、一部の界隈ではちょっとした論争が巻き起こっていたりしています。

 「本庶先生の真意はそうじゃない、あくまで『常識を疑え』ということだ」と弁明(!?)しようとする人もいます。
 しかし、私は個人の実感として、決してそうではないと思います。

 本庶先生の真意がどこにあるかは置いておいて、「ネイチャー、サイエンスの9割は嘘」というのはおそらく厳然たる事実であって、言い方を変えると「研究者の9割は嘘つき」であるということも事実であると感じます。
 もっと言うと、ネイチャーやサイエンスほどのトップジャーナルレベルで9割が嘘つきなのですから、もう少し下のランクのジャーナルレベルの研究となると「99.9%が嘘つき」ということです。

 「わざとついた嘘じゃない。研究において'間違い'はつきものだ」という人もいるでしょう。しかし、それもどうかな?
 研究者達は自分の胸に手を当てて、自問してみたほうがいい。それでも、研究者達の大半が「意図的に」嘘をついていることを、本当に認識できていないのであれば、おそらく能力が不足or欠落しているので、それはそれで研究者の資質がないでしょう。


 一般市民は、これをどう受け止めるでしょうか?
 99.9%ですよ。准教授以下のレベルはもちろん、教授のほとんども嘘つき野郎だということですよ。
 山中先生や本庶先生のような、ごくごく一握り(0.1%以下)の研究者だけが真摯な研究者であって、それ以外のほとんどは「真逆」の存在であるということです。
 研究の世界は、大胆に定式化すると「嘘をついて論文を出して、それが実績となって、大学のポストについて、世間や同業者から『偉い先生』と言ってもらえて、実際偉そうにふるまう」という生態系になっているのが現実なのです。

 小保方さん問題が生じてから、「研究倫理講習」のようなものも、以前に比べて積極的に提供されるようになった印象がありますが、大学にいる研究者(もともと人格的におかしな人も多いですから)には、そんなもの1ミリも響いていません。
 科研費というのは、税金から支払われているのですから、もっと国民の皆さんは、研究資金の使われ方に目を入れて、怒ったほうがいいと思いますね。

 
 ただ、その一方で、研究というものは、元来「99.9%のジャンク生産の過程において、砂金のように本物が出現する」という性質のものであるということも重々承知しています。
 構造的に「0.1%の本物の研究者だけを選別する」ということは不可能なんですよね。それをやろうとすると、研究成果自体がまったく産まれなくなってしまうでしょう。

 ですから、できそうなことは以下の二つくらいしかありません。
■大学のポスト等についている先生に対して、盲目的に「偉い」と感じる価値観を世間から排除していく。
 「研究者をみたら泥棒と思え(ただし、0.1%の確率で本物かもしれない)」というレベルでまずは疑ってかかる。皆さん、公務員に対する目線ってすごく厳しいですよね(「俺の税金で食ってるんだろ」という感じで)。それと同じくらいの厳しさで、研究者達を見るような社会になってもらいたい
 とにかく権威主義はダメです。権威主義が愚かな結末しか招かないということは、人類の歴史で幾度も繰り返されているのですから。

■省庁には、研究者の嘘をあぶり出しやすくする仕組みをもっとスマートに構築してもらいたい。
 といっても、現実的に頼れるのは内部告発だけなので、内部告発者に対して、もっと手厚い保護とインセンティブを与えるようなシステムが必要です。
 ドラクエの呪文で喩えると、現状「メガンテ」しか方法がないので、「ザキ/ザラキ」が使えるような形になって欲しい・・・といったら伝わるか?笑
 本当は、悪質な研究不正を行った者に対しては、研究費の返納など厳罰化もしたいところ。実際には、「純粋な間違い」と「意図的な不正」の区別が難しいので、結局は内部告発しか頼れないとは思うのだが。



 私自身、評論家のように吠えてるだけの人間にはなりたくないので、自分なりのやり方で、現状の世界を取り巻く研究生態系を無効化しうるような努力をしています(こうしたWeb上での活動は、そのポートフォリオの一環でもあるのです)。
 それが実るかどうかはわかりません。ただ、私が歳を重ねていったとき、もう少しマシな研究生態系が目の前に広がっていて、そして私自身が真によい研究者になれていたら、「人生に良い価値を見出せた」と満足して死ねるのではないかと思います。


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2018年08月04日

東京医大 女子一律減点ニュースについて。

 大きなネタが投下されたので、久しぶりに、医療系時事ネタについて書いてみたいと思います。テーマはタイトルの通りです。
 もういろんなところで語り尽くされているので、今さら何か新しいことを付け加えられるわけではないのですが、一応重要な視点をまとめておくと以下が挙げられます。

報道内容が、どこまで真実であるかは実はちょっと不明瞭である。
 「匿名の関係者」の発言だけが報道の根拠になっているので、一応その点には留意する必要があります。「報道が簡単には、信頼できない」ということは、近年になって浸透してきた考え方ではありますが、まだまだガードは緩めるべきではありません。
 ただ、火のないところに煙は立たないというのも事実ですし、なんといっても、一部の医学部においてこの手の得点調整が普通にやられているということ自体は、ずいぶん前から噂されてはいました。だから、それなりに真実であろう、というのが私の印象ですね。

女性というだけで差別など、ありえない。ただし・・・
 世論としてこうであることは必然的です。私なんかは、もとより「勉強や仕事ができて、しかも女性だとことさら素敵じゃん」とか思うタイプなので、なんで世間の男子達が女性を差別したがるのか、いまいちピンとこないところがあるのですが(子供を産む能力を持っていないという点で究極的に男性は女性に対して劣等的な存在であって、逆に仕事とか物理的なパワーとかそういう領域でマウントをとらないと、潜在的なコンプレックスを解消できないのだと個人的に思っています。だから女性差別する男性は、真の意味で低能なことが多い)。

 猿レベルの知能だった人間は、何千年もかけて闘争を繰り広げ、血を流し、試行錯誤しながら、「自由・平等」といった概念を醸成してきました。こういう人類としての進歩的な流れに逆行してしまっている点でも、謗りを免れることはできません。ましてや、日本という先進国の、医学部というハイインテリジェンスなコミュニティの中で、そのような逆行姿勢がみられるというのは情けない限りです(医局という封建制度や、捏造研究の跋扈にも同じことが言えます)。

 しかし、見出しには、「ただし・・・」とつけました。一方で、皆、簡単に批判してるけど、そんな簡単な問題でもないぞ、という気持ちもあります。
 私は、思想史が好物なので、「自由・平等」といった概念が、いかに「当たり前でないもの」なのか、いかに人類が苦労して絞り出してきた概念か、多少は理解しています(少なくとも無勉強な人よりは)。
 一般論として、こうした哲学的価値観について、皆簡単に「当たり前」だと思い過ぎなのです。それは、本件において「女性差別とかありえない!」と批判している側にも同様に言えることです。「差別しちゃいけないなんて当たり前」・・・、その「当たり前」ってどこから来たんでしょう?そこまでわかって(わかろうとして)真摯に批判している人はほとんどいないです。おそらくブーブー批判をしている人達自身が、別のところで色々な他の形の差別を実践していると思いますよ。
 「〇〇人は嫌い」「ブス・ブサイクは嫌い」「収入の低い人は嫌い」「米軍基地は沖縄にあればよいor無関心」・・・などなど。皆一つくらい該当する差別を実践しているはずです。


 確かに、一次試験で点数操作するということは直感的にも「悪いこと」のように感じます。
 ところで、医学部には面接試験というものがあります(学校によっては面接点はかなりのウェイトを占めます)。その面接試験においては、試験官による極めて主観的な採点により、「こいつは暗くてコミュニケーションが下手だから点数を下げる」ということがなされます。
 これは、女性を差別するのと同じくらい、「差別」ではないのでしょうか?
 あと、女子校・男子校という形態がありますね。あれも差別ではないのでしょうか?東京女子医大なんて、男子は絶対入学できないのですが、あれは差別ではないのでしょうか。
 東京医大が「うちは男子を優先してとります」と、あらかじめ選択基準を明示しておけば許されたのでしょうか?いや、なんか、これでも猛批判を受ける気がしますね(その一方で、女子医大はほぼ批判されないでしょう。その差はどこから来るのか?)。

 東京医大を局所的に叩くのは簡単ですが、差別問題を正しく語るには本当は深い見識が必要だということをわかってもらいたいです。
 「欧米からも批判!日本は遅れている!」といったレベルの、本当に軽薄な報道はクソくらえです。自分で勉強して、自分の頭で考えてもらいたいですね。


「ちゃんと働く医者」がとにかく足りない。
 私自身は現役バリバリ、医療の最前線で働いている医師なのでその立場から言いますが(そして、これはまともな医療関係者にとっては自明のことです)、現行の医療システム自体が限界に来ているんですよ。一番、根っこの問題はそれです
 東京医大の上層部だって、「女は下等生物だ」といったような前近代的な理由で差別化したわけじゃないでしょう。本当に、人がいなくて現場が回らないので、あくまで姑息的な手段として男性医師確保優先に動いたと思われます。
 客観的な事実として、女性医師は結婚・出産というイベントによって、医師としての活動度を大きく落とすか、引退してしまうことが多い(もちろん、そうでない人もいますが、やはり多い)ということが厳然とあるわけです。しかも、あいにくその時期は、体力的にも実力的にも、医師として一番活動度が高くあって欲しい20代後半〜30代に丸被りしています。
 そもそも、女性医師は労働強度の低い、マイナー科を進路として選択する傾向が強いですし、せっかく内科や外科に来てくれたなけなしの女性人材すらも抜けてしまう・・・こうして根本的に医療システムを支える「内科医・外科医」は、慢性的に深刻に不足している状態に陥っています。

 私が所属している科コミュニティにおいても、結婚・出産を契機に女性医師の労働力が欠けるというイベントが定期的に発生します。すると、彼女が本来請け負っていた業務を「いったい誰が代わりに負担するのか」という骨肉の争いが毎度のこと生じるのです。100人→99人といったレベルの欠員ではなく、4→3人とか、そういう規模内での変動になるので、このインパクトって本当に大きいのです。
 もちろん基本線としては「みんなでカバーしよう」なわけですが、世の中には働きたい人ばかりじゃないですし、実のところ、他の医師も既にいっぱいいっぱいの労働状況にプラスアルファが乗ってくるわけなので、実際問題「避けられるなら避けたい」という気持ちでいることも確かなのです。
※ちなみにこういう業務の押し付け合い論争が起きる場合、「結婚していない女性医師」からの反発のほうが遥かに強いです。これまた根が深いというか。。
 
 こうした問題はだいぶ以前から言われていますが、「元の原因を断つようにコミットする」ということは、なかなかできません。
 「医者を増やそう」「保育園など、女性医師が働きやすい環境、復職しやすい環境を作ろう」・・・そんな小学生でも出てきそうな対策案は、既にとっくに講じられているか、講じたところでほとんど効果がない程度にピントがずれています(詳細は割愛しますが)。


(1)ハードな科とそうでない科に、もっと給与差をつける。
:体感的に、例えば、内科と精神科は500万円以上年収差がないと不健全です。
(2)「サボればサボるほど得」という労働体系を是正する。
:有能な医師に患者と業務が集中するのに、1円も給料は増えず、むしろ換算時給が下がる。
(3)「固定給が低く、パート給が法外に高い」という歪な収入構造を是正する。
:結婚後の女性医師は、パート医に留まる効率が良すぎて、常勤医師に復帰するインセンティブが全くない。8時間勤務を週2回やれば年収800万(週3回で1000万超え!)ですよ!? ボロ雑巾のように使われる常勤に戻る理由がありません。
(4)そもそも「患者を全員、彼等の要望に最大限応える形で診る」ということを諦める。
:一定のADL基準を満たさない高齢者の医療は全額自己負担にするとか、家庭医を通さないと総合病院を受診できないとか、そういうラディカルな改革をしないと正直持ちません。

・・・この辺りが、改革すべき構造のコアです。
 しかし、既得権益(とか共産党とか)からの抵抗も著しいでしょうし、実際に「未来のトラブルを予見して先に改革しておく」ということは非常に難しいというのが現実だと思います。
 実際のところは、将来、ネガティブな形で(4)を迎える形になって、そこでスクラップ&ビルドするフェーズが来ると思われます。その時に併せて(1)〜(3)を抱き合わせて盛り込んだ改革を業界全体としてできるか、というところが、医療の次の100年を良くするための勝負所なのではないかと思います。
 私個人としては、そのときに改革の力になれるような存在になっていたいという思いはありますね。


 今回の東京医大の問題をもとに、私が思うのは、
実力通りに女子学生を採用し、どんどん女性医師を増やせばよい(7割くらい女性医師になるかも笑。それくらい、高校時代は女子のほうが真面目で好成績が出やすいです)。それで医療現場は崩壊するかもしれないが、むしろ早めに一度崩壊させたほうがよい(そのフェーズを通過しないと、とてもではないが改革できない)。
・・・ということです。もちろん、市民の皆さんには、自立心をもって、自分の健康をいかに守るかを考えてもらう必要があります。



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2018年04月14日

医療系書籍重版のお知らせ

 さて、この度、2017年に上梓した医療系書籍「Dr.とらますくの採血&静脈ルート確保手技マスターノート(ナツメ出版)」が、重版になりましたので、ご報告させていただきます✨
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 一応、これでベストセラー作家を名乗れるようになりましたかね(笑)。

 本書は、「末梢血管穿刺手技の技術論だけで1冊の本にした」という非常にニッチな作品なのですが、よく売れているということは、やはり穿刺技術に関して悩みをかかえている医療従事者(特に新人の看護師)が多いということなんですね。
 まぁ私自身、研修医時代かなり悩んだもので、皆言うことはバラバラだし、ネットで検索しても大した情報がない・・・という原体験をもとにして書いているので、効果的にハマる方も多いのだと思います💡

 重版記念に、たまたまこのサイトを通りすがるかもしれない医療従事者や患者さん向けに、血管穿刺周りのワンポイント追加アドバイスをしたいと思います。

絶対に初心者術者にプレッシャーをかけてはいけない(患者さんの場合は、プレッシャーをかけないほうがいい)」です🚩

 愚かな医療従事者の先輩というものは世の中にたくさんいるもので、下手なのが当然である新人の失敗に対して、叱責したり、「できない奴」認定をして嫌がらせをするなどして、マウントをとろうとしてくる奴がいるんですよね。
 私の研修医時代も、麻酔科ローテート時に、有名なパワハラ上司医師(いろいろな新人をうつに追い込んできた実績のある)がいて、かなりやられました。
 どれくらいパワハラかというと、例えば、静脈ルート確保に失敗したときに「おまえがルートとれないから、スローインダクションにするわ」といって、吸入麻酔薬による麻酔導入にしてくるくらいです(現在は、静脈注射の麻酔薬で素早く麻酔導入するのが一般的なのですが、わざとマスク換気による古典的なノロい導入にする)。医療従事者なら、これがどれくらい酷いレベルの嫌がらせなのか、よくわかると思います。もちろん、改善策のアドバイスなど1ミリもありません。
 そのバカ医者は、私の人生における「絶対に許さないリスト」の上位にランクインしておりますが(笑)、それはともかく、こういうプレッシャーをかけることで、新人はもちろん患者さんにとっても、何一つ良いことはないのです。

 私も、彼のせいで、うつにまでは至りませんでしたが、一時期、静脈ルート確保に関しては完全にイップスになりました(それが上記著作につながっていくのですが)。
 彼のもとを離れてから、イップスが消えたと確実に言えるようになるまで、数年はかかりましたね。逆に言うと、その間は「無用な失敗」をたくさんしたということです。私が無用な失敗をするということは、それだけ「余計に刺されて痛い思いをした患者」がいたということになります💥
 愚かなパワハラ先輩は、「嫌がらせはその時間だけで完了する」とよく思っているのですが、全然そんなことはありません。彼にとっては瞬間的な嫌がらせでも、被害者側にはしばしば永続的な記憶として刷り込まれて、その後何年間にも渡って「苦手意識」などの負の遺産を残すのです。それで間接的に社会に与える悪影響や被害って、非常に大きく増幅されるものなのです。
 まぁ、だから私はパワハラ野郎には相当厳しいです。最近は私自身の立場も上のほうになってきたので、パワハラしてる奴をみかけたら、自分には直接無関係であっても、積極的に潰しにいくようにしています(笑)。パワハラは直接の被害者が反撃できることは、なかなかないですからね(そもそも立場が弱いからパワハラを受けているのであって)。

 患者さん側の視点に立った場合、「プレッシャーかけるな」とまではさすがに言えません。患者である以上、失敗して欲しくないというプレッシャーをかける自由は持っているし、実際その気持ちは妥当なものです。
 ただ、若手の術者に対して「お前なんかで大丈夫なのか?」といったように先に牽制をしてくるタイプの人は、術者をむやみに緊張させて手元を細かく狂わせ、むしろ失敗のリスク(=自分が痛い思いをするリスク)を増大させてしまっているだけなんですよね。結局、自分が損なのです。
 いずれにせよその術者が刺すのであれば、リラックスしてやらせてあげたほうがかえって成功しやすいですから、そう構えておいてもらえると患者さん自身にとって得だと考えてもらえればと思います。

 本当にどうしても失敗して欲しくないのであれば、「痛みに弱いので(/難しくてよく失敗されるので)、最初から上手い人にやってもらいたいです」といったように先に言うのがいいです。そうすると、新人のほうも「患者さんがそう言っているので」と、先輩に振りやすくなります。
 その患者さんの希望という紋所がないと、「なにヒヨってるんだ。うまくなるために、失敗してもいいからチャレンジしなさい」と先輩からも言われてしまいやすいですし、それこそパワハラ上司だと「は?自分でなんとかしろよ」なので、ますますエアポケットに入ります💨 
 「未来の医療従事者を育てるために、少しくらいは失敗は許容できる!」という殊勝な方は、「もし2(1)回失敗しちゃったら、術者を代わってもらってください」と言っておくのがお薦めです✋
 医療従事者の間では「3回ルール」というのがあって、同じ人が3回連続失敗したら手を代えるという慣習があるのですが、個人的に3回はちょっと多い気がします。次のベテラン術者にも「もう失敗は許されない」というプレッシャーがかかってしまいますしね。ですから、1〜2回というところで指定しておくのがいいんじゃないかと思います^^)

  
 ・・・さて、出版社の皆様方には、医療系書籍より教育系著作のほうにもっとアンテナ立ててもらいたいのですが、こちらはまだ私の実力不足のようですね(笑)
 ともかく、引き続きご愛顧いただければ幸いですm(_ _)m


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