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本書は内容を前広に設定し、皮下注・筋注も含む注射手技全般、注射薬、看護観察、医療事故などについて取り扱っています!日頃の臨床に是非お役立てください。

2017年11月14日

医療系書籍出版のお知らせ2

 さて、突然ですが、医療系書籍がもう一つ出版になりましたので、お知らせいたします✨

 2017年初頭に「Dr.とらますくの採血&静脈ルート確保手技マスターノート(ナツメ出版)」を上梓させていただきました。
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 こちらは、血管穿刺手技の初心者や苦手な人向けに徹底的に技術・コツ論を体系化した書籍になっております。

 この書籍がなかなか好評(?)ということで、秀和システム社より同系統の書籍の執筆依頼を受けまして、この度、改めて「看護の現場ですぐに役立つ 注射・採血のキホン」が世に出る運びとなりました。
 本書は、同社の「ナースのためのスキルアップノート」シリーズのうちの一冊となります。
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 「看護の現場ですぐに役立つ 注射・採血のキホン」のほうは、「Dr.とらますくの採血&静脈ルート確保手技マスターノート」に比べて、内容を前広に設定しています。
 後者は上記の通り技術論に特化した書籍ですが、今回出したほうは
・注射手技全般(静脈注射のみならず、皮下注や筋注も)
・注射関連薬剤の知識
・注射や採血手技後の看護観察
・医療事故

といった内容も含めて、ジェネラルに針穿刺手技を扱った内容となっています(代わりに、技術論については軽めの記載になっています)🚩

 ご自身が要求する知識に応じてご選択いただければと思います。
 今後も依頼さえあれば、医療関係書籍は出していく可能性がありますので、引き続きご愛顧いただければ幸いですm(_ _)m


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2017年08月28日

違法臍帯血移植。関係者のあまりの狂いぶりに絶句。

 久々に医療ネタです。以下の通り、芳ばしいネタが投下されましたのでね🚩
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 他人の臍帯血(さいたいけつ)を国に無届けで移植したとして、愛媛など四府県警の合同捜査本部は二十七日、再生医療安全性確保法違反の疑いで、「表参道首藤クリニック」(東京都渋谷区)院長の医師首藤紳介容疑者(40)や、臍帯血販売会社「ビー・ビー」(茨城県つくば市)社長篠崎庸雄容疑者(52)=同市研究学園五=ら計六人を逮捕した。
(中略)
 他に逮捕されたのは京都市の「京都健康クリニック」経営者坪秀祐容疑者(60)や、福岡市の臍帯血卸売会社「レクラン」(閉鎖)元社長井上美奈子容疑者(59)、元社員で息子の小谷治貴容疑者(36)、ビー・ビー元社員で篠崎容疑者の妻の信子容疑者(50)。
 坪容疑者以外の五人の逮捕容疑は、昨年七月ごろ〜今年四月ごろ、首藤クリニックで患者四人に無届けで移植したとされる。篠崎、坪両容疑者ら三人は昨年二月〜今年四月ごろ、別の医師らと共謀し、大阪市の医療施設などで計三人に移植した疑いがある。
(中略)

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元記事はこちら 

そして逮捕者の一人のコメントがこちら
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「顕著に”こんなん治ったか”って。10年間寝たきりで目玉しか動かなかった人がリハビリ出来るように起き上がってきたり。僕が何か(の病気)になったら絶対にする。300万円出しても。裁定を下すなら、早く下してください代官様って感じや」
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元記事はこちら 

 もうね、突っ込みどころが多すぎて、本当に(・ω・)こういう顔になってしまう勢いですね。
 このニュースを最初に聞いたときは、プラセンタのことかな?と思ったんですが、プラセンタではなくて、マジもんの臍帯血移植ということで、またビックリ👀
 違法は論外なんですが、届出をして自由診療だったとしても、臍帯血移植なんてアリなんですかね。
 そして、首藤クリニックは小林麻央を手遅れにした元凶だというし、ド素人丸出しの坪容疑者(彼はクリニックの経営者ということですが、医者じゃないですよね!?)は「さい帯血協会」の理事だというし・・・。もう滅茶苦茶です💣

 さて、知識を整理しておきましょう。
 赤ちゃんが生まれてくるときに、副産物として「へその緒(と胎盤)」が出てきますね。これらは基本的に医療廃棄物であるわけですが、へその緒の中には、少し赤ちゃんの(胎児時代の)血液が残っています。
 この血液には、「造血幹細胞」が含まれていることが知られています。これは有用だということで、捨てるのではなく医療に活用することになりました。

 造血幹細胞とは、「どんな血液成分にもなれる血液系細胞の親玉」みたいな細胞です。ここから赤血球、白血球/リンパ球、血小板など、なんでも作られます。
 これをどう医療応用するかというと、もっぱら血液疾患の患者に対する造血幹細胞移植になります。
 代表的なのは白血病です。白血病は、自分自身の血液系細胞を作る仕組みが「がん」化してしまっているわけですね。これを治療するにはどうしたらいいか。
 これは以下の手順になります。
(1)放射線や大量の化学療法で、自身のがん化してしまった造血幹細胞をメタメタに破壊しきる。
(2)造血幹細胞を移植する。それが正常な血液を新しくつくり始める。

 もう、おかしくなっちゃった自分の造血システムは(正常な細胞もがん化した細胞ももろとも)リセットして、他から正しいものを入れようと。造血幹細胞を移植すれば、それは全ての血液成分に分化できますから、きちんと生着すれば再び血液が正しくつくられる・・・こういうことを目論んでいるのです。
 だから、例えば血液型がA型だった白血病の患者さんが、上記の治療を受けたときに、もしO型の患者さんの造血幹細胞を移植されたら、血液型はO型に変わるんですよ👀(私は研修医時代、そういう患者さんに「血液型占いはどちらを信じればいいのでしょうか」と質問をされたことがあります)。
 普通は、造血幹細胞は「骨髄」に含まれているので、骨髄移植をするのがスタンダードです。でも、骨髄って採られる側(ドナー側)も結構痛いし、大変なんですよね。ですから、「どうせ捨てちゃう臍帯血が使えるなら、一番いいじゃないか」ということで活用されているのです。

 ともかく、造血幹細胞移植というのは、こういう医学的理屈なわけなので、「臍帯血に含まれているよくわからないスーパー細胞が、身体の中の悪いものをやっつけてくれる!」などということは非科学的妄想以外の何物でもありません💧
 上記の血液疾患の治療は(1)の行程で、免疫系を「丸裸」にしているから成り立つのであって(だからこそ、その治療中は重症感染症などのリスクが非常に高く、まさに「肉を切らせて骨を断つ」決死の治療なのです)、普通の人に臍帯血なぞ入れたら、あっという間にご本人の免疫系によって破壊されて終わるだけです(300万円がパーです!)

 まぁ「臍帯血の中に含まれる免疫系細胞ががんをやっつけてくれる」という理屈なら、全く間違ってはいるのですけど、まだ了解可能な面もあります。
 しかし、「10年間寝たきりで目玉しか動かなかった人がリハビリ出来るように起き上がってきたり」・・・これはないでしょう。。この辺、彼の頭の中では、プラセンタとごっちゃになっているのでしょうか?

 ちなみに、プラセンタというのは、胎盤から抽出した成分からつくるサプリメントで、自由診療で扱っているクリニックも結構あります。一応、更年期障害とか美容(コラーゲン産生を増やすとか・・・)に効果があるという能書きなのですが、本当かどうかはよくわかっていません。
 ただまぁ、こちらはあくまで「成分/物質」なので、自費でやる限り「やりたきゃ、やればいいんじゃない」というのが私のスタンスです。だって、効きもしない美容液とかサプリメントは、他にも世の中にワンサカあるので、プラセンタだけ狙い撃ちする道理もないからです💥

 しかし「臍帯血」・・・これは、成分/物質ではなく、生体の細胞を移植してしまっているので、合併症リスクなどの観点からも、いくら自由診療といっても度を越していると個人的には思います。
 そこで謳う効能が、「がんが治る!」というような類のものなら、それに騙された人達が失うものが大きすぎるわけですから。「プラセンタをやってみたけど、更年期障害や美容には効かなかった」というのと、「臍帯血移植をやってみたけど、がんには効かなかった」というのでは、全然事態の重みが異なります
 ましてや本件は無届ということなので、「クズ」としか表現のしようがないです。
 「裁定を下すなら、早く下してください代官様って感じや」じゃないですよ。完全に電波受信しているとしか思えません💦 「僕が何か(の病気)になったら絶対にする」とおっしゃっていますが、既に完全に頭の病気だと思いますので、いますぐ10発くらい臍帯血投与したらどうでしょうか笑(もちろん無届、自費で)

 こういう医療行為をどこで線引きするか、どういうふうに使うかは、残念ながら医者自身の「良心」に任されています。
 そして、世の中には良心などない人のほうが多いので、自分の身は自分自身で守らないといけません。勉強はそのために必要なんですね。
 ニセ医療に食い物にされないため、高校生物の「生物の体内環境」範囲くらいは、皆さんあまねく、必須教養として身に着けておくほうがいいと思いますね🚩いや、ホントに。



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2017年07月31日

病理解剖の減少

目に留まったニュースがあるので、今回それについて書きます。

https://mainichi.jp/articles/20170731/k00/00m/040/113000c
**************
病理解剖 30年で7割減少 医師多忙、医療の質低下懸念

患者の死亡後に行う「病理解剖」の実施件数が、最近30年間に全国で7割以上も減っていることが、日本病理学会の調査で分かった。医師の多忙や病院の費用負担が理由とみられる。診断・死因の確定や治療効果の確認、新人医師の育成に欠かせないため、医療の質低下への懸念が広がっている。
**************

病理解剖に対するモチベーションって、今現在、本当に微妙なラインにあるんですよね。

ちなみに解剖には大きく分けて4つあります。
■正常解剖:もっぱら医学教育のためにする解剖。研究目的にはもうほとんどやりません(マクロ解剖において、今さら新発見などない)。
■司法解剖:自殺・他殺の疑いがある時に警察がやる解剖。
■行政解剖:司法解剖との区別がつきにくいですが、警察が「まぁ殺害の可能性はなく、病死でしょう」と判断したらこちら。
■病理解剖:担当の医師が死亡の原因や難病の研究のために行う解剖。

病理解剖は、病因で患者さんがなくなったときに、医師から家族に「病理解剖は希望されますか?」と提案します。
ただ、これがまた提案しにくいんですね、最近は・・・。
病院によっては、「患者が亡くなった場合には、必ず病理解剖を希望するか一律的に尋ねること」と規定されていたりしますが、「この方達には、正直提案しにくいなぁ」という場合も結構あります。

時代背景として、昔と違うのは主に以下の三つの点があります。
(1)医者が忙しすぎる
(2)画像診断技術がだいぶ発達した
(3)患者が高齢化した
(4)患者・家族ファーストになった

記事内でも(1)については触れられています。
そもそも患者さんが亡くなっているときは、医者が呼び出されているわけです。それは言い方を変えると、他の業務を一時停止してその場に来ていることになります。また、しばしばそれは夜間の話になります。
病理解剖は大切なことだとわかってはいるけれども、病理解剖に回ってしまうと、さらに休めない、業務を圧迫するということは明白なので、医師側に病理解剖をする強いモチベーションが生じにくいですね。

記事内では「(2)の要素があるといってもまだまだ不十分」というニュアンスですが、これはかなり大きいです。単純X線くらいしか撮れなかった時代は、臨床的な推論と本当に身体の中で起こっていることが一致しているかどうかは、病理解剖でしかすり合わせ(答え合わせ)をすることができませんでした。
医師のウデは、「臨床的な推論」の力に大きく依存していましたので(患者さんが生きている間にはそれに基づいて治療するのですから)、実際、「精度の高い臨床的推論ができる」良い臨床医を育てるためには病理解剖は不可欠だったことは間違いありません。
ただ、現在はCTやMRIなどの画像診断技術はもちろん、様々な検査技術が発達していますので、「死ぬまでに身体の中の状況が全然詰め切れていない」ということはほとんどありません。日本はCTの数が充実しているので、特にそうです。もちろん、CTは影絵をみているだけで、生身の組織を観察しているわけではないので、100%大丈夫というわけではないのですが、病理解剖の要請が減った大きな一因であることは確かです。

(3)(4)は時代の流れに伴ってそうなってきました。
例えば95歳で安らかに大往生した高齢者に、わざわざ病理解剖を提案するのかという問題です。家族だって、「死んでまで身体を切り刻まれるなんて可哀想」という考えを持っている方が多くいます。
大昔は、医者が「病理解剖します」家族「は、はい・・・」という時代もあったのでしょうが、今やそんな状況ではありません。


高齢ながら比較的若年の患者さん(あまりに若すぎても、心情的に難しい)が急変して想定外にあっという間になくなってしまったときなどは、「急変した理由や死因が不明なので、病理解剖をおすすめします」と提案しやすいのですが、それ以外のケースではなかなか難しいのが実情なのです。
「本当は病理解剖するのが理想的だけど・・・」と思いながらも、家族の乱れ方や闘病の経緯などを勘案して、提案を呑み込んでしまうということは、実のところ結構あります。

ちなみに、病理解剖は記事にある通り、費用は全て病院持ちです。そして病院によっては、「いくばくか」の謝礼が出ます。
この「いくばくか」が曲者で、気前のよい病院なら「お葬式代がまかなえてしまう」程度に支払われることがあります。それならそうと言ってくれれば「やってください」という患者さんの家族も、もう少しいるのかもしれません。
もちろん、「お金のために不適切に積極的に家族側から病理解剖を希望する」などということがあるべきではないですし、「あの病院は病理解剖の謝礼が高いor安い」といった変な口コミが生じるのも問題なので、おおっぴらにはしにくいところです。

ただし、このまま放っておけば病理解剖の件数がますます減少することは間違いありません。「人の死に関連して、金の話をするのは美しくない」という意見があるのは重々承知ですが、病理解剖に協力してくれた患者本人や家族に対する謝礼については、明文化することが必要な時代に差し掛かっているのかもしれません。
・医師が適切と考える症例について病理解剖を提案する。これを患者家族が受諾する場合、(法に定める)謝礼が支払われる。
・患者家族から病理解剖を積極的に要請する場合、謝礼は支払われない。
・・・こんな感じの骨子になるでしょうか。

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2017年02月25日

医療系書籍出版のお知らせ1

 この界隈の仕事をはじめてから、5年経ったでしょうか。早いものです。
 いよいよ気が熟してきた感がありまして、2017年は、大きなムーブメントをいくつか皆さんに披露できる見込みになっています。

 今回は、その第一弾の発表です💨
 とらますく先生の著作、ついに紙媒体で出版されます❗❗

 これまで、個人的にはこのサイトで書籍を販売していたりもしましたし、主要作「本当の勉強法を知りたくないか?」はKindleで電子出版もしています。ただし、いわゆる普通の書店に並べるような形での出版物はまだなかったんですよね。
 そんなわけで、今回は私にとっての、厳密な意味での「出版」第一号作品となります!

 さて、そのタイトルは・・・


 「Dr.とらますくの
   採血&静脈ルート確保手技マスターノート」



・・・です(笑)
 いや、そこは勉強法とか生物とか英語じゃないんかーい!という突っ込みが来そうですね。まぁ、正直これらはまだタイミングじゃないです。
 というわけで、意外なことに(!?)私の出版処女作は、医療関係本となりました✋

 この本は、「採血,末梢ルート確保って、医療従事者にとって初歩中の初歩の手技で、結構難しい(職人芸的な)ところもあるのに、ちゃんとまとめられた本がないな」という課題意識から執筆をスタートしたものです。
 医療手技の本って、挿管とか中心静脈ルートのような割と高度な手技に関してはよくまとめられているのですが、採血,末梢ルート確保は「当たり前」すぎて、ほとんどまとめられていないんですね。もちろん、ネットを検索すれば断片的な情報くらいなら落ちているのですが。
 しかし、4月にはじめて医療現場デビューする初心者にとっては、最初は誰しも穿刺失敗を繰り返すところなので、結構「悩みのタネ」であることは間違いないんです。それで患者さんにクレームつけられたり、先輩にいじめられたりしたら、なおさらのことですね💣
 そんなわけで、初級者が「耳学問」ではなく、きちんとコツを効率的に会得できるように、まとめあげてみました。「採血,末梢ルート確保だけで1冊の本にした」という前代未聞の作品になります。
 間違いなく「採血,末梢ルート」のコツや留意点に関して、日本一詳しく、体系的な本です(笑)🚩

 企画を非常に前向きに請け負ってくれ、イラストや写真を豊富に加えてとても魅力的な仕上がりにしてくださったナツメ出版様をはじめ関係者の皆様方にはこの場を借りてお礼を申し上げますm(_ _)m

 2017年3月3日以降から全国の書店に並ぶ予定ですので、次の4月から看護師,研修医,検査技師などになる方々にお役立ていただきたいですね(*^^*)


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2016年10月08日

死生学

 癌についての考察を深めていくと、最終的には必ず、死生観の問題に行き着くことになります。

 PR→SD→PD→・・・といったようなサイクルの中で、「完治(CR)することは、まずない」とわかっていながらも、余命を伸ばすという目的で治療を受け続けるということ。
 これは、健康な人にとってみれば、本当の意味では想像もつかない事態ですし、実際その身になった人にとっても、天と地がひっくり返るほどの心理的転換を強いられるであろう出来事です。

 多くの普通の人は、つい昨日まで「自分が死ぬ」なんて夢にも思っていなかったわけで、その心理的転換に多大な、精神的・時間的なコストを払うことになります。上手にマネジメントできないまま、大混乱のまま亡くなっていく人もいます。
 「生物は、必ず死ぬ」ということは、皆当たり前の事実として知っているにもかかわらず、いざ自分や自分の家族のことになると、往々にして「まさか」となるのです。
 私は医師として、多くの臨終、ないしは終末期の面談にも立ち会っていますが、90歳以上の超高齢の患者さんの家族の場合でさえも「今回の見通しは非常に厳しいものになります」という話をしたときに、「な、な、な、なんだってー!信じられない!どういうことですか!?絶対に助からないんですか?他に方法はないんですか?」というような反応をされる方が、一定数います。
 その場合は、懇切丁寧に病状説明をし直すわけですが、「この人たちは、90歳を超えた自分の家族が‛死ぬ’という可能性を、本当に少しも考えたことがなかったのだろうか?」という疑問は生じます。

 それでも、90歳なら世の中の大半の方々は、「死」を意識するでしょう。上記のようなケースは、必ず一定数いるとは言っても、基本的には小数派です。
 ただ、じゃあ70歳だったら?50歳だったら?30歳だったら?

 老衰・病気のかかりやすさという観点では、「死」は確かに年齢と比例関係で可能性を増して迫ってくるものですが、逆に言うと、それ以外のファクターに関して言えば、「死」の可能性は、若者から高齢者まで平等に存在しています。
 自分の周囲を見回してみてください。25歳くらいを越えてくると、チラホラ同級生でも亡くなる(理由は様々ですが)方がでてきますよね。
 私は、皆、成人したら一度「死」というものについて自分の考えに向き合ってもらうことが必要ではないかと思っています。


 「死生学のすすめ(医学書院, 山本俊一)」という本があります。東大の衛生学の教授が執筆された本です。この本、そんなに面白いわけではないのですが、なかなかためになる着想が記載されています。
 これは「免疫」の考え方を、死生学に応用してはどうかというものです。

 つまり、病原体のワクチンを予防接種しておけば、身体の免疫が予行演習する形になり、いざ本当の病原体が入ってきたときに、大きく体調を乱されることなく敵を叩くことができます。
 これと同様に、「死」についても、晴天の霹靂のように死に対して向うのではなく、あらかじめ元気なうちに「死」に向き合うという予行演習をしておくことで、いざ本当に差し迫る「死」に対峙したときに、無駄なコストを払わずに平穏な精神的マネジメントが可能になるのではないか・・・ということですね。

 日本人は、歴史的にみれば、世界でもめずらしく「死」に対する許容度が高い人種だったはずだと思います。
 切腹・自決・特攻などなど、外国人からしたら理解し難い「滅びの美学」を、長い年月の間、ずっと持ち合わせていました。
 それは必ずしもいい面ばかりではありませんが(特攻などは権力者によって、死生観を悪用された例です)、日本人は、もともとせっかく持っていたこれら考えを「忘れすぎてしまった」感はあると思います。
 高齢社会にある現代日本にあって、家族や自分の死とどう向き合うのかという問題は、ますます重要度が増していきます。
 少なくとも、自然死・病死といった「普通の死に方」に関して言えば、死生学という予防接種を投与することは、成人以後、どんなに早くても早すぎることはないでしょう。

 私個人に関して言えば、実のところ、「明日、何かの拍子で死ぬかもしれない」と常々意識して生きています(ですから、周囲がいぶかるレベルのペースで世に価値を残そうとするこだわりが強いのです)。
 何かまとまりのあるプロジェクトに着手する際には、「これが一段落するまでは死ねないぞ〜」と思いながらやってるんですよ笑。
 簡単な形式ではありますが、毎年、遺書も書いています。 
 
 まぁ私は医師であって日頃から「死」に直面する機会が多いというバックグランドがあるからなのですが、そこまでいかなくても、皆さんにも是非、小林麻央さんの例を「気の毒な人」という程度に流してしまわず、自分の人生について考えるきっかけにしてもらいたいな、と思います。


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