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2020年03月18日

新型コロナウィルスについて、現時点でのファイナルアンサーを出す。

 巷を騒がせている新型コロナウィルス問題ですが、こういうときに本当の人の本性が出ますね。
 テレビで煽るだけ煽って、ぼったくりに近い電話相談の開設を批判され、むしろ地位を貶めてしまったクリニックの経営者。
 感染症領域最高峰のプロでありながら、もともと界隈では有名だった「キャラ」を背景にワーっと盛り上がってしまって、場を混乱させる動画デビューをしてしまい、忽然とメディアから姿を消した人。
 相変わらず、政府や官僚に無能というレッテルを貼って、批判だけを展開したいアレな人々。
…などなど。


 こういう問題に対してきちんと記事を書くのは骨が折れるので、及び腰だったのですが、いったんFAともいえる内容をまとめておきたいと思います。

■「今現在の流行に関しては、とりあえず臨床的にはどうしようもない。夏がくれば、終息するチャンスが生まれてくると思うので、ひとまず、それまで社会的に粘るしかない。ワクチンや治療薬の開発自体は急務である

 普通のウィルス感染症には、あまり特効薬がありません。
 よく言う「抗生物質」は、あくまで「細菌」に対するもので、ウィルスに対する薬ではありません(風邪に抗生物質は無意味であるという話につながります)。
 一部のウィルスに対して、例えばインフルエンザとかヘルペス/水痘・帯状疱疹(水ぼうそう)、肝炎ウィルス、HIVといった特殊な病原体に対しては、特異的な治療薬(抗ウィルス薬)が開発されていますが、それらは特にキツめの病気をもたらすため、個別に対応策が練られているという、どちらかというと例外的な存在です。
 ウィルスの数はあまりに多すぎ、あまりに変異性が高く、世の中の軽い病気を起こすウィルス全てに対して個別の特効薬を用意するということは、現時点の医療技術では、事実上不可能(or無意味)となっています。

 そもそもコロナウィルスというのは、風邪を引き起こす、伝統的に知られているウィルスです。冬などにはよく流行りますが、「しょせん風邪」なので、特別な薬があるわけではありませんでした。
 今回の新型コロナウィルスは、旧型に比べればいろいろ悪そうであるように聞こえますが、実際のところどうなのでしょうか?
 上記のような、特異的な医学的対応策を練るべき「特殊例」に該当するでしょうか?


 この問いに対する答えは、結論的には「Yes」であると考えます。
 なぜかというと、インフルエンザを引き合いに考えるといいですね。
 インフルエンザはご存知の通り、非常に感染力が高いです。ただ、感染力が高いだけなら、普通の風邪と変わりません。問題は、どれくらい危ないか(端的には致死率)であるわけですが、インフルエンザの致死率は1%程度とされています。

 「1%?たいしたことないな」と思ったかもしれません。しかし、1%という数字は公衆衛生学的観点からすると十分に高いのです。普通の風邪なら万に一つも死なないが、インフルエンザなら百人に一人は死ぬ。
 冬季に流行して、1%の確率で死ぬのであれば、全国で何千人と死ぬのであって、これはちょっとした自然災害以上のインパクトがあるわけですね。
 ですから、予防医療であるワクチンであるとか、タミフルのような特異的抗ウィルス薬の開発に力が注がれてきました。

 今回の新型コロナはどうでしょうか?
 まず、感染力に関しては、非常に高いことが明白です。まぁもともと風邪のウィルスなんですから、当たり前ですよね。
 では、致死率はどれくらいかというと、1〜2%くらいなんじゃないかと言われています。ただ、新型コロナウィルスは出現したばかりでデータに乏しく、確定的ではありません。完全に医療崩壊に至っている武漢市が、致死率をかなり引き上げてしまっていて(他にも医療崩壊傾向のイタリアが引き上げたりしている)、こういった例外を除けば致死率は、上記(か、ひょっとするともっと低いかも)ぐらいだろうとされています。
 ただ、正確な数字はともかく、インフルエンザの1%は超えている可能性が高いか同等であるとは思われるんですよね。

 インフルエンザでさえも公衆衛生学的には問題とされていて(そして、一方で多くの一般人はあまり問題とはとらえていなくて笑)対策が練られているのですから、当然アナロジーとしては新型コロナウィルスも、ワクチンや特異的治療薬の開発には着手しなければならないと考えるのが自然です。

 ただ、そんなに簡単にできるわけないですね笑。
 可能性のある候補化学薬品の選定から始めて、治験から承認まで、本来なら何年もかかるものです。
 今回の新型コロナウィルスの場合は、社会問題化しているのでかなりのファストトラックを走ることが予想されますが、それでも「次の冬に間に合ったらメチャクチャすごい。人類よく頑張った」と言えるシロモノです。
 ですから、ワクチンや治療薬の開発は、鋭意やらなければならないことですが、直近で成果が出るわけではない(それに、テレビでいくら騒いだところで早まるものでもない)という認識を正しく持つ必要があります。

 では、現状の状況をどうするか?
 これはもう、普通の感染予防策(マスク、手洗い、うがい)をするということしかありません
 経済を犠牲にする集会の自粛の判断に関しては微妙ですが、やむを得ないかなと思います。人間社会の判断は常に合理的であるとは限りません。病気で死ぬ人間の数と、経済で死ぬ人間の数が、仮に圧倒的に後者が多いとしても、功利主義的判断がいつでも通用するわけではなく、しばしば社会・大衆は「病気の恐怖」に支配された判断をしてしまうものです。そしてそのようなエモーショナルな判断は、決して間違ったこととは言えません(詳しくは倫理学的な話になるので割愛しますが)。

 夏になったら100%感染が終息するのかと言われれれば、もちろんその保証はどこにもありません。しかし、夏に期待できるということは間違いないでしょう(逆に、夏で終息しなかったら、年中流行する病気ということになってしまいます)。
 特に日本に関して言えば、夏は極めて高温多湿なので、有利だと思います。夏でも冷涼な気候の国では、苦しむかもしれません。



■「どんどん検査をするべきなのか、対象を絞って検査するべきなのか
 これは、回答としては明確に後者です。
 「日本政府は東京オリンピックのために感染者数が少なくなるように見せたいから、国民が求めている検査をわざと制限している。陰謀だ!」というアレな人たちの意見を目にすると、本当にめまいがします。

 これはいくつかの観点からそうです。

○特異的な治療法がないのに、検査してなんの意味があるのか。
 「早期発見・早期治療が大事」という(癌と同じ理屈を当てはめる)馬鹿な人がいますが、早期治療って何をするんですか?笑 
 風邪の治療ですよね。だって、コロナは風邪のウィルスですし、特効薬が現時点ではないんですもの。重症の肺炎になったらやる治療だって、基本的には人工呼吸器とか補液による支持療法ですよ。
 すると、自分はコロナだと騒いで、「風邪の治療」をするために患者達が医療機関に殺到するとどうなるか?
 もちろん医療崩壊を起こします。そして前述の通り、医療崩壊に至っている国においては優位に致死率が高くなっています。医療という限られたリソースは正しく分配しないと、結果的に誰も救えなくなるのです。
 災害のときにパニックになって、出口のドアに群衆が押し寄せてしまったときに、おしくらまんじゅう状態になって、結局誰も出れない(だから係員の誘導に従いましょう)…というのと同じ原理です。
 仮に医療崩壊に至らないにしても、待合室で患者がごった返す結果、どんどん感染症としては広がる…という悪循環にはまります。
 だから、現状のベストプラクテイスは、「風邪症状があるのなら、コロナかどうかにかかわらず、自宅静養してください」ということになります。これなら、軽症のコロナ患者も、単なる別の風邪患者も余計な差別・区別をすることなく、医療資源を浪費することなく、最も無駄のないやり方でパンデミックに多少は抗うことができます。


○偽陽性/偽陰性の問題
 これは良識あるリソースで既によく語られていることなので、詳しくは割愛します。
 HIVの検査のような99.9%の感度/特異度を誇る検査であっても、「検査前確率」が低いとめちゃくちゃハズしまくるのですよ。性交渉経験がなくて、輸血の経験もなく、「HIVなんて100%ありえない」という人が検査をしても0.3%くらいの確率で陽性って出るんですよ?恐ろしいと思いませんか?
 検査検査連呼する人は、まずこれをわかっていない。ましてや、検査の中でも、PCRという労力とコストのかかる検査(PCR信者は、自分でPCRやったことあるのでしょうか?笑)で、感度/特異度ともに全然高いとは言えない。
 こんなものを検査前確率の低い集団に乱発したところで、お金の無駄以外の何者でもありません。検査をしまくった結果、よい社会的結果が得られるというなら、「コスパが悪い」という言い方をしますが、そうではなく、上記の通りむしろ致死率上昇という悪い結果をもたらすのですから、論理として救いようがありません。医学において、もっとも重要な指標はハードエンドポイントです。致死率を最低に抑えるにはどうすればいいかということを思考の出発点にしないと迷路に入りこんでしまいますよ。



 臨床家ではない評論家からは、「実態をまず正確に把握するために、全数調査をするべきだ」という意見が出されることがあります。
 これは、たしかに局所的な論理としては正しいです。「実態がまず把握できていないのに、どう戦えというのか」と凄まれたら、「確かに…」と思ってしまうかもしれません。
 しかし、現実問題として、結果を無意味に知ってしまった群衆は、不合理な行動をとって、結果として社会を崩壊に招くのです。
 ですから、「実態把握最優先」という論理を最大限尊重するとして、どうしても対象を絞らずに(軽症患者に)PCR検査を適用するならば、以下の条件をつければいいと思います。

全額自費負担(無意味なものに、7割ぶん保険から拠出するなんて。私のお金を返せと言いますよ)
・検査の説明に以下の文言を必ず入れる。
この検査で陽性と出ても特別な治療法はありません。自宅での静養をお勧めしますが、医療機関にかかる場合はマスク装着など周囲にうつさない配慮をしてください。ただし、重症化が疑われる(高熱が4〜5日以上続く、息が苦しい、呼吸や脈拍がはやい、高齢である、内科的な持病があるetc)場合には、速やかに医療機関を受診してください

 軽症患者も全数調査すべき派の論者は、これと抱き合わせにして、主張してもらいたいものですね。



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