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2016年08月22日

manavee終了|MANAVIE誕生

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【2017年4月告知!】
 manavee散る。しかし、新しく無料Web学習サービス「MANAVIE」が見参!
MANAVIE
 詳しい経緯については、こちら
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 さて、近頃勢いを著しく失っていたmanaveeですが、2017年3月にサービス終了の運びになりました。巷でも少し話題になっているのと、間違って出回っている情報などもあるので、せっかくですから比較的近い立場にいる私が詳しく書こうと思います👓
 改めて私の立場を確認しておきますが、私は「manaveeの中の人」ではありません。自分が持っているコンテンツを、主にmanaveeという媒体を通して公開してきましたが、manaveeの運営に触れたことはありません。ですから、割と中の情報は知ってはいるものの、責任ある立場の者としての発言ではないので、その点ご了承ください。

 manaveeがうまくいかなくなった理由はいろいろありますが、「資金繰りに困って」ということではないです(少なくとも直接的には)。
 manaveeは、本来的にNPOとして活動をしていたわけですから、利益を最大化することがその目的ではありません。ですから、サーバー代などのランニングコストさえペイできていれば、続けること自体は可能です。そして、そのようなランニングコストが維持できていたかと言われれば、「できていた」と思います。広告費と、あとはわずかばかりの寄付(日本には寄付文化が根付いていないので雀の涙レベルですが)でですね。

 では、一番直接的な原因はなんなのかと言うと、「人がいなくなったから」ということです。
 サービスを運営する人材がいなくなった、講義を提供する講師もいなくなった・・・スッカラカンになったということです。
 どうして人がいなくなったんでしょうね笑。これにもいろいろな理由がありますが、詰まるところ言えるのは「純ボランタリー意志で人を継続的に動かすことは難しい」ということに帰着するのではないかと思います💦

 人に崇高なボランタリーな意志があることは間違いありません。損得勘定を超えた人の立派な振る舞いは、しばしば報道のネタになったりするくらい、人の心の琴線に触れるものです。そして、自分の行動決定において、それに基づく割合が飛びぬけて高い人も稀に存在することも確かです(賛否両論ありますが、例えばマザー・テレサとか)。
 ですが、99.99%の人間にとって、「純ボランタリーに提供してもよい」と認識できるサービスの割合は、残念ながら極めて小さいものに過ぎません。
 つまり、自分のポテンシャルの0.01%くらいしか使用しないような「ゴミ拾い」くらいのサービスなら、ボランタリーに提供してもいいと思っている人は多くいます。しかし、もっと大きなプロジェクト、例えば網羅的な講義動画を最後まで撮り切ることだったり、ユーザーのサポートを責任を持ってやり切ることだったり、次の成長ステージに向かって運営の舵を切っていくといったことだったり、こういう大きな仕事の遂行を全くのタダで請け負える人など、やはり存在しなかったということです⤵

 世の中には、上手くいっているNPO組織がきちんと存在します。ユニセフなどですね。
 でも、ユニセフの職員はタダ働きなのかというとそうではなく、きちんとNPO職員としての給料が出ています。給料が出ているから、そして「収入がなくなって路頭に迷うのが嫌だから」人は個々の「(ゴミ拾いレベルよりも)大きな仕事」の責任を果たすようになります。
 「お金じゃない。お金が目的じゃないからこそやれることがある」と口先で高らかに謳う人は大勢います。全盛期のmanaveeの中にもそういう人がたくさんいましたが、皆、結局のところ大した成果を出すことなしに、何かしらの理由を抱えて(それは組織側に問題があったことも、本人側に問題があったことも、両方のケースがあります)去っていきました💧

 ガワからみえる部分として、最後に致命傷と言えたのは、manaveeの中でも比較的有用といえる講義動画を供与していた学生講師達が、組織内紛・就職などをきっかけにこれらを削除してしまったことでした。
 こうしてmanaveeのコンテンツ群は、擁護できないレベルで文字通り穴だらけになってしまい、既に内部に人がいない以上それを新たに補完するビジョンを打ち出すこともできず、このままではユーザーに迷惑をかけることが明白となりました。これをもって、manaveeとしての課題解決の達成に至らなかったと判断するのは、やむを得ないところです🚩
 
 バイスタンダーとして付き合ってきた個人としては、一つのイノベーションから生まれるベンチャーと、その終焉という小さな歴史をみさせてもらったのは、よい経験でした。
 わかりきった歴史(最後には資本主義的結末に行き着く)を改めて反復しただけなのかもしれませんが、教育というものは「純商業的」であってはいけない側面が間違いなくあるのであって、「ビジネス」という切り口ではなく、「NPO」という切り口でこれに挑戦しようとした戦略自体は、間違いなく正解だったと思います。
 なぜなら、今のWeb学習業界の群雄割拠の状況に鑑みれば、資本体力と人脈のない学生ベンチャーがビジネスとして生き残るのはほとんど不可能であって、NPOなら生き残れた可能性が最も高いからです(実際、赤字倒産したのではないわけですし)。「教育業界のユニセフ」になれなかったという点に関しては、運営のやり方に至らない部分があったという評価になるでしょうね💨

 さて、manaveeは、「学生が立ち上げた質の悪いサービスが、争いに敗れて泡沫的に消えた」だけなのでしょうか?
 そんなことはないと思いますね。次回は、続編としてそれについてまとめたいと思います👊


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